駒井哲郎

Tetsurou Komai

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日本における現代銅版画の先駆者である駒井哲郎は、国内外で高く評価されてきました。
駒井は多彩な銅版技法を駆使し、微妙な諧調の面と鋭い線、緻密な描写と幻想的な抽象形態、ストイックなモノクロームと色彩あふれる画面など、一見相反するような作風を同時並行で追求しながら、他に追随を許さない駒井独自の腐蝕により作品に命を吹き込みました。
黒いインクと白い紙の豊かな表情のなかに立ち上がる、夢と狂気の狭間を彷徨う駒井の宇宙。それは、デジタル時代の今こそ観る者を魅了します。
またルドンをはじめ西洋画家たちへの敬愛も、駒井の芸術観の形成に深く関わっています。

経歴

1920
東京都中央区生まれ
1938
慶応義塾普通部卒業
東京美術学校油画科入学
1953
資生堂画廊で銅版画による最初の個展を開催
日本銅版画家協会設立に加わり理事になる
1954
3月渡仏。パリ国立美術学校のビュラン教室(ロベール・カミ教授)へ入る
1960
南画廊で個展
1962
東京芸術大学美術学部、多摩美術大学の非常勤講師を委嘱される
1971
東京芸術大学助教授となる
金子光晴の書画との銅版画展開催(小田急百貨店)
1972
東京芸術大学教授となる
1975
7月渡仏、長谷川潔を訪ねる
1976
永眠

履歴

受賞歴

1941
第4回文展に入選
1950
春陽会展に初出品し受賞
1951
第1回サンパウロ・ビエンナーレ展にて受賞
1952
第2回ルガーノ国際版画展にて優秀賞
1959
日本国際美術展にてブリヂストン美術館賞を受賞

コレクション

東京国立近代美術館・ 国立国際美術館