池田満寿夫
Masuo Ikeda
画家、版画家、彫刻家、作家、タレントなど、多彩な方面で才を発揮した人物。旧満州生。
戦後は長野県で育つ。五十七年の東京国際ビエンナーレに入選したことを機に、文部大臣賞を得る等脚光を浴びる。
1965年には、ニューヨーク近代美術館で日本人として初の個展を開き、話題となる。
1966年、32歳のとき、棟方志功に次いで版画家としては最高権威のヴェネツイア・ビエンナーレ展版画部門の国際大賞を受賞。池田の名を国際的にも第一線の芸術家にした。
1980年代以降は、人気クイズ番組日立 世界・ふしぎ発見!の準レギュラーとして出演。版画や小説、映画等、表現媒体は多岐に渡る。
経歴
- 1934
- 旧満洲国奉天(現・中国遼寧省瀋陽)生まれ
- 1945
- 中国・張家口で終戦を迎え、12月に母の郷里長野市に帰る
- 1951
- 第1回全日本学生油絵コンクールで、アトリエ賞を受賞。審査員は安井曾太郎、林武 他
- 1957
- 第1回東京国際版画ビエンナーレ展に入選。銅版画の技法ドライポイントを手掛ける
- 1964
- 第4回東京国際版画ビエンナーレ展で国立近代美術館賞を受賞
- 1965
- 第6回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展入賞。ニューヨーク近代美術館にて版画展開催
- 1976
- 『野性時代』編集長の誘いで、小説『エーゲ海に捧ぐ』を執筆
- 1977
- 『エーゲ海に捧ぐ』が芥川賞に選ばれる
- 1979
- 初監督作の映画「エーゲ海に捧ぐ」が完成
- 1981
- 「池田満寿夫25年の歩み 自選125点」展開催。映画2作目「窓からローマが見える」を制作
- 1984
- 初の陶芸展を東京、髙島屋日本橋店で開き、約120点を発表
- 1995
- 2年かけて制作した般若心経シリーズの作品を発表
- 1997
- 最後の陶の作品「土の迷宮」シリーズを焼成する
3月8日、急性心不全により永眠
履歴
受賞歴
- 1960
- 第2回東京国際版画ビエンナーレ展文部大臣賞
- 1961
- 第2回パリ青年ビエンナーレ展版画部門優秀賞
- 1962
- 第3回東京国際版画ビエンナーレ展東京都知事賞
- 1964
- 第4回東京国際版画ビエンナーレ展国立近代美術館賞
- 1966
- 第1回クラクフ国際版画ビエンナーレ展入賞
- 1966
- ヴェネツィア・ビエンナーレ展版画部門国際大賞
- 1969
- 第8回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展入賞
- 1970
- 第3回クラクフ国際版画ビエンナーレ展入賞
- 1970
- 第17回アメリカ国内版画展入賞
- 1977
- 芥川龍之介賞受賞
コレクション
池田満寿夫美術館・パラミタミュージアム・京都国立近代美術館・長野県立美術館 他